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「200年住宅」
2008.03.24(月)

3月22日、私の住んでいる神戸の近所の人と一緒に加子母まで
テーブル作成の為の木を見に行ってきました。今回の投稿は、
そのついでに撮ってきました私の実家を少しご紹介します。

写真は私の実家、ふる里の風景です。下呂市の中でも一番といって
良いほどの田舎で、世帯数は38世帯しか有りません。
この地域は、ほとんどの家が100年を超えており昔ながらの中二階の
外観が目立ちます。
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実家です。明治二十数年、築115年程経っています。田舎作りで庇も
深く、田の字の間取りと、まさに昔の民家そのものです。
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柱は束石の上にポンと載せただけの単純な構造です。触ってみたところ
腐りも無く、非常に堅くてまだまだ何十年と耐えられそうに感じました。
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屋根はセメント瓦です。伊勢湾台風に一度吹飛ばされ、その後50年を迎えようと
しています。陶器瓦と違い寿命が短いのでそろそろ葺き替え時です。
大屋根の真下と下屋の取合い部をよく見て下さい。大屋根の真下の瓦は
綺麗なものです。
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家の周りは過酷な地形で、西側1m程先はすぐ谷です。東側はといえばすぐ山です。
山から流れてきた水は家に向かい、又、谷合である為、年中湿度は高いと思います。
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木製の雨戸です。過酷な条件の中、115年耐えてきました。
何故か?・・・ここも先ほどの屋根と同じく、庇がしっかりと出ています。
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室内の天井と建具です。昔は囲炉裏があり煙により燻され、黒光りしています。
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私たちはいつも、中島の家は50年・80年・更に100年もつ家ですよ!と
お話ししますが、実際にそこまで持たせる為には、かなりの手間ひまが必要です。
屋根が吹飛べば葺き直し、雪の重みで屋根の垂木が折れれば補強をし、腐りが出れば
取替えをし・・・、資源を大切にしながら永く保ってきました。

今日の住宅は、屋根一つとっても非常に短く、格好は良いかも知れませんが・・・
この日本だけにある長い梅雨を何十年も長くもたせる為には
やはり、昔の人たちが考えぬいた知恵、それは日本の民家がそれであり、庇は深く、
雨風を凌ぎ、構造は単純で地震にも耐えられる。そういった住宅が当社の「現代民家」
であり、都市にも合う様工夫を凝らし、既に何棟も都市で建てさせて頂いております。

「200年住宅」、今から日本で建てられる家はそれに値するのでしょうか・・・?

                                 大阪彩都営業所 今井清隆
by npskobe | 2008-03-24 18:59
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