建築家、吉村順三氏(1908〜1997)の建築を見て来ましたので、ご報告します。
木造と杉型枠コンクリートの混構造の2件です。
まずは、八ヶ岳音楽堂です。19年前の作品です。


杉型枠の表情です。茶色のカラークリアーを塗っているようです。

19年の歳月を経てもこれだけ美しいのは、メンテナンスもさることながら、深い庇に起因するものだとあらためて思いました。
次は、軽井沢の吉村氏の別荘です。45年前の作品です。


これも杉型枠です。
建築設計士の集りでこのツアーに行ってきたのですが、杉型枠についても意見交換をしてきました。
まず、皆さん試行錯誤しているようですが、以下、まとめをしておきます。
剥離材は必ず使用するそうです。
となると、折角の木目がでにくくなるのですが、その対応策としては、製材時のプレーナーをかけすぎないようにする、杉板を天日干しにするか高圧洗浄をするかで木目をだすようにする方法もあるそうです。いずれにしても、コストにも関わってくる問題なので、慎重に検討して採用しなければならない仕上のようです。
2007.7.3 建築工房 羅漢 馬越 健一