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夕凪の街 桜の国
平成19年6月23日(土)
少し前に読んだマンガ本の話をします。「夕凪の街 桜の国」(こうの史代 著 双葉社)という題で、私の故郷、広島の話です。夕凪とは夕方に海風が陸風に変わる無風状態のことで、瀬戸内海特有の気象現象です。その夕凪の街は原爆で焼け出された人たちがバラックを建てて住んでいた地区のことです。現在は緑地帯の公園になっていますが、ほんの30年数前までは、まだ、人々は生活していました。物語の流れは原爆を通して東京~広島と地域を越えた三世代の話です。話は3部構成になっています。後半の桜の国では桜の情景が鮮やかに描かれています。「夕凪の街 桜の国」は映画化され、今夏に上映予定です。機会かあれば、ぜひ観てください。

                                  「夕凪の街 桜の国」表紙
最近、デザインの要素から杉板型枠を使う現場が出てきたと聞いています。中島工務店神戸支店でも数件、杉板型枠を使いました。コンクリートが打ち上がった面に化粧の杉模様が出てくることは非常に美しく感じられます。ただ、コスト面と現場施工は大変な苦労があると想像します。

「夕凪の街 桜の国」で原爆、そして、杉板型枠を想像していたら、広島平和公園内にある広島平和記念資料館(設計:丹下健三 1955年開館)を思い出しました。東西に長いこの資料館は1階部分がピロティと呼ばれる開放空間です。原爆ドーム、慰霊碑に続く正面に位置し、まるで凱旋門を思い起こします。そのピロティ部のコンクリート打ち放しの柱は化粧の杉板模様が今も光沢をもっています。昔は現在のように化粧合板がなく、杉板などを加工して型枠にしていました。多少の補修は必要としても現在も綺麗な状態で残っていることに感心します。
   
                広島平和記念資料館(1階柱部が杉型枠コンクリート打放仕上)
                                
                                    神戸支店  丸子 健士
by npskobe | 2007-06-23 16:22
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