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無いのに有った水路と道路
「無いのに有った道路と水路」

2007年3月11日

私の住んでいる下呂市御厩野(ミマヤノ)は、平成4年ごろ土地改良事業による圃場整備工事が行われました。扇状地のようになった山里、山間地に点在する民家、傾斜地のため細かく区切られた棚田、段々田んぼ、だんだん畑、いろいろな表現があるけれど、圃場整備をするには、まったく困難な条件のそろった土地だったようです。地元の人たちも役所の人たちも大きな苦労の末、完成することができた圃場整備です。賛成する人も、反対する人もゴチャゴチャになって完成させた事業でした。
 今回、隣接する土地の事業に提供するため、私の土地を測量することになりました。測量する中で自分の土地ばかりだと思って占有していた土地の中に公有地がいろいろと入っていて驚きました。下呂市の水路用地、「赤道」といわれている昔の道路、「青線」といわれている昔の水路、法務局に保管されている公図の中にしっかりと残っていました。土地改良事業を施工するまでは、しっかりと残っていた昔の道路や水路が、施工後、土地の形状が変わって利用されなくなりました。圃場整備された区域の中に入っていた昔の道路や水路は、公図から消えました。しかし、区域外となった土地の中にある昔の道路や水路はそのまま残りました。途中で途切れてしまう水路が残りました。途中で途切れてしまう道路が残りました。圃場整備の区域外となった、「コマギレ」のような公図の中に「みみずのしっぽ」のような道路や、水路が残りました。そのまま何もせず残していたら何も事件は起こらなかったでしょう。しかしその土地に建物を建てようとしたり、工作物を造ろうとしたらやはり「公有地」自分の物でない土地だから利用できない。利用するためには、下呂市から購入するより他に手はありません。購入するには、測量士に支払う費用もかかる、いろいろな手続きに期間も必要、何ヶ月もの期間を待たなければなりません。
 後々のことを考えた行政だったら圃場整備の区域だけのことを考えるだけではなく地域全体のことを考えた土地改良事業をやってほしかった。(自分勝手な主張)
 自分のところに降ってきた「火の粉」。かぶってみて初めて熱いと思う。
 「無いのに有った道路と水路」大変 複雑な気持ちです。
 土地の調査、思い込まずに当たり前の調査を。事業計画はそれから。
                              
                                     河村力三
by npskobe | 2007-03-11 00:35
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