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泥縄
先日、某所のカラオケ店より自動火災報知設備の設置の依頼があり下見に行きました。
ここは、宝塚市のカラオケ店火災後の消防署による立ち入りで、設置義務違反が
わかったものでした。
店を見せてもらうと、カラオケボックスの個室が19部屋と事務所と厨房、そして
隣接してお好み焼店もあり、合計建延面積が300㎡以上となり、自動火災報知設備が
必要でした。
設計するにあたって、これまでですと、感知器、発信機(押釦)、ベルなど設置基準の
最低個数となるよう(施主さんの金額の負担にならぬ様に)数を決めていたのですが、
今回この様な痛ましい事故の後のため、改めて設置の意味を考えさせられました。
消防法で定められているその基準は、十分なものと私は思いますが、今回の様なカラ
オケボックスなどでは、個室で大音量という条件のため、非常ベルの音がそれほど気に
ならないものになるのではないかと思いました。
又、建延面積の小さいものは設置義務がないのですが、この様な用途の場合は避難口
等も考えるとやはり危険だなと感じました。
話しは変わりますが、電気工事を始めて2年目の時、尼崎市のあるスーパーの社員食堂に
蛍光灯を取り付けに行ったことがありました。
確か食堂は3階にあったと思いますが、そこへ行くのに一般のお客さんが普段は使用し
ない非常階段からあがっていくのですが、その階段や踊り場等に商品が山積りされて
いて通りにくかったことを覚えています。
そして一年後の放火による火災の時に多くの社員の方が食堂まで避難をしたのですが、
山積りにされた商品により防火戸が閉まらず多くの方が一酸化炭素中毒で亡くなられま
した。
この時の私はその危険を察知することが出来なかったのですが、カラオケ店の場合も
やはりそうであったのだろうと思いました。
世界一の消防法であっても使用出来ないと打つ手がありません。
泥縄とならぬ様に気を付けたいものです。
それでは、建築(耐震 強度)の面にあてはめるとどうでしょうか。
素人考えですが、柱や、筋違いの数、梁の太さ、金具の種類など建築基準に適している
かどうかで設計されていて、それ以上の事は何か起こらなければ気付かない事もあるか
と思います。
どうでしょうか?

                           藤木電工社 藤木 健

        
by npskobe | 2007-02-06 14:16 | その他
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