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ロハスな日々 Vol.6
2006.10.14(土)  建築工房 羅漢  馬越

住宅2題
今回は、現在設計中と設計監理中の2軒の住宅について書きます。
1軒目は、設計中のM邸です。建坪150坪、鉄筋コンクリート3階建て、外壁は全て石貼りで玄関は自動ドアの大豪邸です。コンセプトは、一切窓を開けずに生活ができる設計。セントラル空調にオール床暖房を各季節に付けっぱなしにすることを前提に設計が進んでいます。ちなみに、設計事務所もプロデュース担当、デザイン担当、意匠実施設計担当、設備設計担当、構造設計担当と別々の事務所がチームでやっています。
2軒目は、設計監理中のO邸です。建坪40坪、鉄筋コンクリート2階建て、OMソーラーの家です。ちなみに構造以外は私の事務所でさせていただいています。
何故、この2軒を引き合いに出したかというと、決して、OMソーラーがすばらしくて、全館空調で窓を開けない家が間違っているということを言うつもりではないのです。
実をいうと、1軒目のM邸が建つのは、東大阪市の工場や倉庫が立ち並ぶ準工業地域で、2軒目のO邸は西宮市の山手のまさに森の中の一軒家なのです。
つまり、ロハス的に言っても、M邸においては外の汚い空気は家の中には出来る限り入らないようシャットアウトし、閉め切ることでおきる圧迫感を感じないように内部に大空間をとる設計は、健康を維持するためには必要不可欠だとも言えるのです。(勿論150坪は大きすぎますが、)もっと環境の良い土地を選んだらとも思いますが、お施主さんの事情はそれぞれで、この土地で一代で会社を起こし築かれたそうで、土地への愛着は他人が計り知れないものだと思います。
O邸の方は、建坪は40坪ですが、土地は300坪です。まさに森の中に隠れて(施主さんの希望で出来る限り木は伐採しないようにしています。)、道路からは建物はほとんど見えないので、特別にデザイナーをつけたり、外壁に石を貼ったりする必要はないと思われます。対象的なのは、こちらは、窓は開け放して自然と一体となった生活が営まれるといううことです。よって、家は最小限の大きさで、大げさに言えば300坪のリビングがあるようなものです。よくメジロの群れがやってきますし、もちろんイノシシもいますし、この辺のヤブ蚊の大きさは尋常ではありません。もしかすると、そういうのがダメな人には、向かない土地でもあります。
何も結論めいたことを述べるつもりはないのですが、施主さんの生活・趣味嗜好、それにそれぞれの事情は様々で、それぞれの条件にベストをみつけて、安全で健康な住まいを提案していければと考えています。
ただ、M邸のランニングコストだけは気がかりなのですが・・・
by npskobe | 2006-10-14 17:56
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