秋の恵み-そして幻の味?
こんにちは、東京支店の吉村です。

私は9月の1日から3日まで、会議やら取引先との打合せ等で加子母に
帰省しておりました。
8月のお盆からたった半月あまり経っただけなのに、加子母の夜は涼しい、
を通り越して寒いくらいでした。
 3日の日曜日は、昨年亡くなった母の命日の前々日だったので、加子母に在住の姉と
一緒にお墓参りに出かけました。お墓参りの後、家でお茶をいれ「仁太郎」の栗きんとん
(これも秋の恵み?)を食べながら本当に久しぶりに姉とゆっくりと話をしました。

 昔の話が中心のよもやま話の中で、きのこの話になり大いに盛り上がりました。

    秋になると、キノコ。

この連関が忘れられません。というのも、亡くなった親父が秋のキノコのシーズン
になると、ほとんど毎日のように山へ出掛け、いろいろな種類のキノコを採ってきて
いたからです。
 
もう40年くらい前のことで、どんなキノコがあったかは詳しく覚えていませんが、
シメジだのイボクグリ(当時の加子母の俗称-正式名称 不明)だのソウナ(ホウキダケ)
だの時にはマツタケもありました。そして、その頃の食卓は、毎日必ずなにかのキノコ
料理が出ていて、「げっ、またキノコか」という感じで食べておりましたが、その中で一番
うまかったのが、加子母の俗称「カワタケ」(一般的にはロウジかな? 写真もちょっと違う気がするけど)
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これを、油で炒めて、熱々のを生姜タマリを付けて食べる・・・・・これは最高にうま
かったと、姉と口を揃えてこの「カワタケ」を褒めてあげました。
本当にあの味に比べたら松茸なんて全然及ばないと二人で話していました。

 ただ、その「カワタケ」も今ではほとんど見かけません。
勿論、今は東京にいて秋に山へ行く事自体がないのもありますが、地元の
産地直売市場でこの「カワタケ」のような出ている話もあまり聞いたことがありません。

 多分、昔のように山の下草刈りや手入れをしなくなり、山の植生が全く変わってしまった
んだろうと思います。 昔の私たちは、キノコ採りといっても親父のようにキノコの生える
場所を知らない為、家の直ぐ向かいの山で加子母俗称「イクチ」(アミタケ-ヌメリイグチ科)
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を採るのがせいぜいでしたが、このイクチだけは馬鹿みたいにあちこちに生えていて、
踏みつけても全然惜しくないほど山にはたくさんありました。
が、それも今となっては貴重品の部類でそんなに簡単に採れなくなったそうです。
(あのイクチのはいった味噌汁はうまかった!)

 40年余りの歳月で、私たちの食生活も随分変わり、あの頃はほとんど食べられ
なかった牛肉とか寿司とか、いまでは珍しくなくなってしまいましたが、その代償として
あの「カワタケ」の味は、もはや幻となってしまった感があります。

 無い物ねだりの我が儘かも知れませんが、昔に比べて生活が豊かになった反面、
失ったものも小さくはなかったなぁ、と感じた初秋の加子母の一日でした。

                                        吉 村 嘉 隆


 

 
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by npskobe | 2006-09-04 23:21 | その他
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