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ロハスな日々 vol.4
2006.8.6  建築工房 羅漢  馬越 健一

先週までは、なかなか梅雨があけず、そろそろからっと晴れることを待ち望んでいましたが、いざ晴れるとこの暑さ、ちょっとは雨が降って欲しいと思い、勝手なものです。
この暑さのなか、我が家兼事務所には、クーラーがありません。昨日の清隆さんのブログの中でもふれられていたように風の通るプランニングは、設計の腕のみせどころでもあると思います。とは言うものの、我が家は住宅密集地にあり、3方向を建物で囲まれているため全ての窓を開けても風が通るといううことはありません。しかし、あきらめるのは未だ早い。この状況は、まさに京都の町家です。昔といってもほんの数10年も前には、クーラーなどといったものは無かったのであって、それまでは、知恵・工夫で暑さ対策をしていたのです。ということで、京都の町家の坪庭をとりいれてみました。ご存知の様に坪庭は建物の中央部に庭をもってくることで、どうしても奥にいけば暗くなる町家に光を取り入れるのが1番の目的なのですが、この暑さにも効果的です。坪庭は4方向を囲まれているため通風は期待できませんが、囲まれていることでずっと影になっているため、また、上がぬけているので放熱、暑い空気は上へゆく効果で、夏でもヒヤッとします。つまり、風といえる程のものは期待できませんが、坪庭に向かって大きな開口を開け、隣地側のジャロジー窓をあけておくことで、坪庭に向かう空気の流れを促し、温度の交換が実感できます。
また、防犯対策にも効果があります。つまり、坪庭側の大開口はいつでも開けっ放しにできますし、隣地側は人が入れない巾のスリット窓(ジャロジー窓)にして、これも常時開放できます。
とはいうものの、毎年、4、5日は暑さで寝られない夜があります。去年は特に暑くて、10日はあったと記憶しています。しかし、クーラーばかりあたることで、発汗作用が悪くなり、体温調節が出来ない人が増えているとも聞きます。お年寄りや病気の方は別として、ちょっとの我慢、最後の我慢は、年間4、5日であれば、クーラーのない生活は実は健康的な(ロハスな)生活なのではないでしょうか。
最後にとても良い邦画を観ましたので紹介します。「ゆれる」という作品で、香川照之とオダギリジョーがとても好演しており、ストーリーもしっかりしていて、映像、音楽ともカッコイイできです。確かに最近では、「MiⅢ」に代表されるような中身はなくてもお金をかけて凄い映像を作り出すハリウッド映画には根本的に負けますが、お金がない分、工夫して、それがとてもイイ結果を産んでいると思います。監督は脚本も兼任している西川美和監督で若干32歳の女性だというのも驚きです。中途半端にハリウッドのまねをするとろくなことはないですが、こういう内容で勝負する作品には邦画のほうが(プチ駄洒落ですが気にしないでください・・・)、よい作品が多いと感じました。
by npskobe | 2006-08-06 11:20
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