平成18年7月22日
今週は雨がたくさん降りました。僕の行っているお寺の修復工事の現場は湿気のひどい所にあります。周りは田んぼに囲まれていて、晴れていても水たまりができるようなところです。建物の下も湿気だらけで、床下の木材は特に悪くなっていました。湿気は木材を腐らせますし、湿気を好む虫もたくさん寄ってきます。この建物の床下には虫がたくさん住んでいました。シロアリもです。今までシロアリを見たことがなかったのですが、本当に木材を綺麗に食べてしまうということが分かりました。中に巣を作って、働きアリが動きまわっています。柱などは外から見ても普通なのに、中は空洞になっています。持ち上げてみると通常の何倍もの軽さになっています。このように、床下や柱などほとんどの木材を食い荒らしたシロアリも防腐防虫剤を塗布した跡のある木材には手をつけていませんでした。建物を長持ちさせるためには湿気対策、防虫がとても肝心だと感じました。
今は、このように特に湿気の多い所に建っているこのお寺が、この後何百年も持つように、何人もの人たちが集まって、水、湿気対策などを考えているところです。ヒノキはこのような時によく使われると聞きました。ヒノキの性質は心材に耐久性があり、長期の水湿に耐え、その独特の香りは、防菌、防虫、防カビの働きがあります。このため、古くから仏閣、神社を作るために使われてきたと聞きました。
鳴海 剛史