このたび国の登録有形文化財の岐阜公園三重塔の修復整備工事を受注させていただきました。この塔は金華山ロープウエー乗り場の西面山麓にあり大正天皇即位の記念事業で岐阜市が大正5年に建設し建立から97年たっています。
設計は明治神宮や築地本願寺を手がけた日本建築史学の創始者伊東忠太が行い建設地の選定は岐阜市とゆかりの深い日本画家川合玉堂がおこなったそうです。
建設資材は濃尾地震で被災した長良橋の古材が使われており規模は塔高が25・8メートルで、3層とも約5・5メートル四方。構造は石造の2重の基壇に建ち心柱を鎖でつり下げて礎石から浮かせる「懸垂式」という工法がつかわれています。大変耐震制に優れた構造になっています。
これからこのような由緒ある建物の修復工事が始まるわけですがこの地は織田信長公 ゆかりの地でもあり遺構が多くそれなりに仮設もおおがかりになります。工期は約3年間、よみがえった塔が紅葉に包まれてきらびやかに生えるその姿を見るのが今から待ち遠しいです。 設計積算室