先月22日に史上初で史上最大の木造三階建て学校校舎(通称:木三学(もくさんがく))
の火災実験が行われました。
国産材の需要促進の一環で従来は耐火建築物とする事が義務付けられている
3階建ての学校を準耐火建築物での建築が可能となるよう実大規模の火災実験
で検証を行うものです。
実施関連のプレス発表:(すでに申込は終了しております)
http://www.nilim.go.jp/lab/bcg/kisya/journal/kisya20120126.pdf
今回は予備実験としての基礎データを採取するのが目的です。
中島工務店では試験体の建設準備と当日の会場整理にあたりました。
実験前20日のリハーサルの様子です。
集成材の柱と梁、板張りの壁、全て「現し」の在来棟。
鉄筋コンクリートの校舎にはない、温かみがあります。
セッコウボード張りの2×4の教室。
可燃物を想定した杉材の井桁が結構な高さで積まれています。
がっしりしたからまつ集成柱が校舎を支えています。
床はムクの杉板です。素足でも温かい感触。
三階の小屋裏天井も板貼りが露出しています。
---
実験当日の朝は曇空でじっとしていると寒い気温の中、午前9時、実験開始。
出火場所の職員室給湯室に着火。数分で煙が立ち上りました。
30分ほどで大きな火炎が吹き出しました。
実験開始から60分でほぼ最大の延焼状況。50m以上離れていても熱い。
朝の寒さは吹き飛んでしまいました。
普段はこれほどの火災現場に居合わせることは滅多にありません。
火炎の熱がものすごい勢いです。輻射熱の怖さを身をもって感じました。
建設にあたった杉山所長、関東地区社員のみなさん、お疲れさまでした。
日本には古くから木造建築が脈々と受け継がれてきた歴史があります。
木の文化と匠の技が継承していけるように現代技術で切り拓く公共建築の実験は
第一段階がようやく済んだところでしょうか。
この検証データを基にひとにやさしい木質感のある安全快適な校舎が実現する
ことを期待します。
東京支店 吉澤