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くつ下の穴・・・
自分で言うのも変だけど、小さな頃それほど聞き分けのない子供ではなかったと思う。それでもたまにどうしても欲しいものがあったりすると、親に無理を言って買ってもらっていた。
小学生の時、ボクは学校の理科の授業で使っていた顕微鏡がどうしても欲しくなった。でも、子供ながらにもウチの生活に余裕などない事はわかっていたし、洋服1枚買うのとはワケが違うくらい高価なことは想像できたから、雑誌か何かにのっていたカタログみたいなモノを何日も見て、何日も考えて、勇気を出して母に「顕微鏡が欲しい」と打ち明けた。
数日後、母からそれを聞いた父は「どうしても欲しいのか?」と何度も聞くので、半分ムキになって、「どうしても欲しい!」と答えた。父は困った顔をしたが、何日か経ったあとの日曜日の夕方、顕微鏡や望遠鏡を扱っていた市内のメガネ屋にボクを連れて行き、小学生にはもったいないくらいの顕微鏡を買ってくれた。
嬉しくて仕方ないボクは、毎日学校から帰るとその顕微鏡を出して、ガラスの板の上に色々なモノをのせて顕微鏡を覗いた。夜でも用が無いのに、箱から出しては入れ、入れては出すを繰り返して、その顕微鏡をイジっていた。
けれど、それもしばらくのこと。1ヶ月も経たないうちに飽きてしまい、まだ新品の顕微鏡は箱に入ったまま次第に部屋のスミに追いやられ、数ヶ月後には見向きもしなくなり、いつしか押入れの中に・・・。


子供の頃って、くつ下の親指のところに、よく穴があきましたよね?子供の頃のボクもそうだったけど、他のところは全然悪くなっていないので、当然、母はその穴を縫って、ボクら兄弟に履かせていた。けどその頃のボクは、くつ下の穴を縫ってまで履くことが凄く貧乏ったらしい事に思えて、それがイヤでイヤで仕方なかった。1回くらいは履いても、そのあとはタンスの引き出しの奥に追いやって見ないフリをしてた。そのくせ、好きな子のくつ下の親指のところが縫ってあるのを見つけたりすると、何だか急に嬉しくなったりしたものです。
先日、中学で野球をやってる息子が、野球用のくつ下にまた穴が開いたと母親に話していた。ちょうど家の中に干してあったくつ下を見ると、たしかに足の親指あたりに穴がポッカリと開いていた。でも見たところ、他は全然悪くなっていない。母親は近いうちに買ってくるからと息子に答えていたけど、「これなら、まだ縫って履けるじゃん!勿体ない!」って思って聞いている自分がいました。


ボクも40代後半になり、人の親になって15年以上が経ちました。

まだ親孝行らしいことは、何もしてません。

でも、感謝の気持ちは年々増すばかりです。

くつ下の穴・・・_f0073301_12114328.jpg


営業部 武田
by npskobe | 2009-09-09 12:12 | その他
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