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SAREX...その実態とは?
2009年5月27日(水)

先週の話まで戻らせて頂いて恐縮ですが、5月21日は、「住環境価値向上協同組合年次総会」、「SAREXメンバーズサミット」、「SAREX設立10周年記念懇親会」、引き続き22日は「SAREX工務店力向上ワークショップ特別編」に、神戸支店長鷲見さんと参加しました。

住環境価値向上事業共同組合」、通称「SAREX」は、10年目を向かえる地域工務店の集団です。現在60社ほどの加盟工務店があり、加盟工務店さんはどなたも優良工務店さんばかり。ことに一昨年まで代表理事を務めていらっしゃった青木さんは、当時から全建連(全国中小建築工事業団体連合会)の会長を兼務されているほどです。SAREXは「全建連の情報箱」、そして全建連は「国交省の情報箱」と言っても過言ではないでしょう。

私達(株)中島工務店も10年程前に加盟しましたが、その大半が幽霊部員でした。私が始めてSAREXと接したのは、3年程前に名古屋で開催されたワークショップへ参加させて頂いた時のでした。緑区にある優良工務店、阿部建設さんの鳴海のモデルハウス「LA FORESTA」を見学させて頂いたのですが、SAREXのレベルの高さとメリットの高さに驚きました。エテシテ工務店同士はライバルとして手の内を隠しあうものですが、ここでは逆に赤裸々に公開されていました。お互いに公開しあうことで、お互いを高めあう。理想の形がここにありました。以来、近場でワークショップ等ある際は、極力参加するように努めて来ました。

SAREXの説明はこの辺にしまして、21日の年次総会へ。会場は渋谷区にありますアイビーホール青学会館。
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司会進行は、SAREX専務理事の野辺公一さん(ちょっと顔までは分かりませんけど)。私達の木造住宅業界ではナカナカ有名な人物。色んな建築雑誌でも野辺さんの記事をしばしば目にします。この10年間、実際にSAREXを牽引して来た立役者です。

そして理事の皆さんのご紹介。
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左より、大和工務店の鈴木さん(司会)、小林創建の小林さん、小林建設の小林さん、山田建設の山田さん、この人が現在の代表理事さん。そして田中工務店の田中さん、岡庭建設の池田さん。理事さんの中でも数人欠席でしたが、理事の皆さんはその地域で活躍する優良工務店さんばかり。

基調講演がいくつかありましたが、その中から、もっとも参考になったお話を。国土交通省住宅局木造住宅振興室長の越海興一さんより「長期優良住宅促進法と工務店支援施策」。うんうん、昨今の建築業界はこの話題でモチキリ。そんな私達に、まさにその中枢たる人物より新鮮で詳細なご説明を頂きました。メンバーの皆さん熱心に聞き入ります。
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そして5:30pm頃より懇親会。何よりも乾杯好きなのがSAREXのメンバーの共通点の様子。
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こちらが、前代表理事の青木さん。現在の全建連の会長さん。貫禄ありますね。やっぱり顔はあまり分かりませんけど。
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懇親会、そして2次会、3次会...勢いのある人たちは夜も一生懸命...あ、私は懇親会までのお付き合いでしたけど。


そして2日目のワークショップ。会場は中央区日本橋にあります建設国保会館です。建物は隣のIBMのビルに隠れ、非常に分かり難い所にあります。しかしなぜここで?全建連のJBN(工務店サポートセンター)が入っているビルです。

さて、ワークショップ開始。9:30amの時点では、出席者は半分ぐらい...どうやら懇親会あとの2次会・3次会でフィーバーしてしまった方々のようです。

先ずは税理士の丹羽忠明氏より、「工務店の事業継承戦略」の講義。世代交代の時期を迎え、各工務店さんの悩みへのアドバイス。
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次に、住宅金融支援機構の河田さんより「住宅税制、住宅金融のユーザーメリットの評価法」。
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「長期優良住宅」の言葉は徐々に知られて来ましたが、そのメリットは?と聞かれると、はっきり答えられる人は少なかったと思います。が、今回総合的に河田さんよりご説明頂き、私も大筋理解できてきました。ズバリ、あまりメリットがない。もちろん建物の性能が向上し寿命が延びるのはメリットですね。しかし減税だの控除だのの、住まい手さんへのインセンティブとしては魅力はまだまだ薄そうです。恐らく国がこれから更なる策を講じることとなるでしょう。

次ぎはものつくり大学の小野先生や設計士の宮坂さんお話....は割愛させて頂き、ARU田口設計工房の田口さん。「自主検査力を高めるポイント」。現在お客様が工務店に求める力の一つが、自主検査力だと思います。その具体的ノウハウを、ご紹介頂きました。30分ぐらいでしたけど、本当は3時間ぐらい聞きたい所です。
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そして、芝浦工大教授の蟹澤先生。「いよいよ技術継承の危機の時代」。うんうん、大工職人や左官職人の次世代の担い手不足の問題。それに拍車をかけるような国の法律...私達地域工務店の問題そのままです。国は大手ゼネコンを基本に法律を作っているようです。私達のような地域工務店ではちょっと現実的でないようなルールがたくさんあり、まともに従っていたら本当に技術継承の危機ですね。抜本的な解決策を見出すのは当面難しそうです。
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そして最後は(株)アティアスの岩下さんより「施工品質チェックシート」について。当社でも以前より取り組んでいるSAREX製作の施工品質チェックシートの続報です。継続的に見直し、ドンドン使いやすくなって行く。さすがです。
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2日間に渡る集中的な講義。私も少々消化不良気味。頂いた資料を帰りの電車の中で必死に読み、何とか整理を付けていかなくては。

劇的に変化し続ける建築業界。そんな中で、全国の優良工務店が集うSAREX。今後も謙虚に且つ強かに、良い刺激を頂いて参ります!

中島 大地
by npskobe | 2009-05-27 13:56
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