JIS改正について
本当は今回、「我慢」というタイトルで、先日、山奥の工事現場へ生コン車にて工場を出発した直後に起きた“強烈な便意”との”壮絶な戦い”について詳細に記する予定でしたが、食事中にこのブログを閲覧する方もあるのではと考え、標記のタイトルと致しました。
 
なんともお堅い題目で読む気も失せる方も多いかと思いますが、コンクリート工事には欠かせない規格です。ここで少し改正ポイントと当工場の対応を説明したいと思いますので参考にして下さい。

平成21年3月20日付けでJIS A 5308レディーミクストコンクリートが改正されました。レディーミクストコンクリートの規格は1953年に制定され、その後11回の改正を経て今日に至っています。前回の改正は2003年に行われましたが、その後の技術の進歩及び環境問題を考慮して今回の改正が行われました。今回の改正は、環境に配慮したレディーミクストコンクリートの規格とするため、スラッジ水利用の促進、再生骨材Hの引用及び付着モルタルの適用範囲の拡大をそれぞれ図るとともに、従来の配合報告書の位置づけを明確化、及びレディーミクストコンクリート関連JISとの整合化を図ることが主な目的です。

新JISの趣旨は次のようになってますが、特に(2)は使用者側からの強い要請で規格化されました。

(1)資源環境型社会への貢献(環境配慮)
①スラッジ水の利用の促進(呼び強度36以下は、協議事項の対象外とする)
②付着モルタルの適用範囲の拡大による利用促進
③再生骨材Hの規格化による適用範囲の拡大

(2)購入者への情報提供の拡充(トレーサビリティ要求への対応)
①「配合報告書」から「配合計画書」への名称変更
②「配合計画書」での「標準配合」又は「修正標準配合」の明記とその適用期間の記載
③「配合計画書」で、「骨材の質量混合割合、混和剤の使用量については、断りなしに変更する場合がある。」の明記
④納入配合の記載義務の予告
「納入書」の様式変更(納入配合単位量の記載)平成22年4月1日から適用
⑤計量記録及び計量記録から算出した単位量の報告義務の予告
購入者から要求があれば、提出しなければならない。平成22年4月1日から適用(土木学会・コンクリート標準仕様書〔施工編〕:2007の受入検査規定に整合させた。)

(3)国際化への対応(国際規格ISOとの整合)

以下、個々の変更点及び当工場の対応について説明させていただきます。

(1)「配合報告書」について
①旧JIS(2003年版)の「配合報告書」の名称は、新JISで「配合計画書」と規定されました。荷卸し地点の品質を確保するために自主的に配合を修正してましたが、JIS改正によって予め「配合計画書」で修正標準配合も提出しなければなりません。そこで、修正標準配合を新たに定めました。
②「本配合の適用期間」欄は、その配合の適用期間に加え、その配合が「標準配合」か「修正標準配合」を明記します。
③これまでは、建築用の場合、気温による補正値Tの期間を記載していましたが、新JISでは標準配合又は修正標準配合の、その適用期間を記載します。
⑤「骨材」欄に、砕石及び砕砂の場合の「微粒分量の範囲」欄が追加されました。
スラッジ水を使用する場合の「目標スラッジ固形分率」欄が追加されました。
⑥「備考」欄に「骨材の質量混合割合、混和剤の使用量については、断りなしに変更する場合がある。」と明記されましたから、品質を確保するために、骨材の質量配合割合、混和剤の使用量を断りなく変更する場合があります。
⑦当工場は、JIS登録認証機関にJIS A 5308:2009適用に伴う変更届をして、この新JIS「配合計画書」で平成21年8月31日から対応させていただいております。

(2)「標準配合」と「修正標準配合」について
①「標準配合」とは、当工場で社内標準の基本としている配合で、標準状態の運搬時間における標準期の配合として標準化されているもの。
②「修正標準配合」とは、出荷時のコンクリート温度が標準配合で想定した温度より大幅に相違する場合、運搬時間が標準状態から大幅に変化する場合、若しくは、骨材の品質が所定の範囲を超えて変動する場合に修正を行ったもの。
③当工場は、具体的に次のように対応しております。
1)「標準期」をコンクリート温度で20±5℃の範囲の時期、「標準状態の運搬時間」を30分程度とし、これを「標準配合」とします。
2)「出荷時のコンクリート温度が標準配合で想定した温度より大幅に相違する場合」として、コンクリート温度25℃以上(夏期)及びコンクリート温度15℃以下(冬期)としています。
3)「運搬時間が大幅に変化する場合」として、40分程度を想定しています。
以上を整理して、当工場は次の6種類の配合を持っています。
1.標準配合1(標準期:コンクリート温度が20±5℃の時期の標準運搬時間)
2.修正標準配合2(標準期:コンクリート温度が20±5℃の時期の遠距離運搬時間)
3.修正標準配合3(夏期:コンクリート温度が25℃を超える時期の標準運搬時間)
4.修正標準配合4(夏期:コンクリート温度が25℃を超える時期の遠距離運搬時間)
5.修正標準配合5(冬期:コンクリート温度が15℃未満の時期の標準運搬時間)
6.修正標準配合6(冬期:コンクリート温度が15℃未満の時期の遠距離運搬時間)
 
なお、「骨材の品質が所定の範囲を超えて変動する場合」に、「修正標準配合」として提出する場合があります。また、AE減水剤及び高性能AE減水剤を使用したコンクリートにつきましては混和剤の添加量のみでの対応となります。

(3)「納入書」について
新JISは平成22年4月1日から新JISに定める新様式「納入書」において、配合の表示を規定しましたから、当工場は「標準配合」又は「修正標準配合」を表示します。

(4)計量印字記録について
新JISは、「購入者の要求があれば、平成22年4月1日から、レディーミクストコンクリートの納入後に、バッチごとの計量記録及びこれから算出した単位量を提出しなければならない。ただし、複数バッチで運搬車1台分のコンクリートを練り混ぜる場合は、各バッチの計量値を平均して算出した単位量を提出する。」と規定されました。当工場は準備を整えまして、来年4月1日以降の納入から要求がある場合に限り納入後に「計量記録及びこれから算出した単位量」を提出いたします。


以上、概略をご説明致しましたが、文面だけでは理解できない点が多くあると思います。不明な点、ご質問等ございましたら、コンクリート工場までお問い合わせください。



規格や規制などいろいろと厳しくなる一方ですが、皆で協力し合い、良いものを造っていければと考えています。


                                     コンクリート工場 nbr
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by npskobe | 2009-11-13 23:47
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